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今日の弾さんのエントリー「もはや心理物理学 - 書評 - 心の脳科学」にちょっと反応 |
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2008/12/13(木)
行動経済学には「最後通牒問題」というのがある。
P. 175
あなたはもう一人のパートナーと組んで実験に参加します。まずあなたのパートナーが1000円もらいます。パートナーはこのうちのいくらかをあなたに渡します。でもいくら渡すかは、パートナーが決めます。もしあなたの受け取る金額があまりに少なすぎると思ったら、あなたは受け取りを拒否することができます。この場合、あなたもパートナーも受け取る金額はゼロになると決められます。
ホモ・エコノミクス的な最適解は、「たとえ一円でもいいから必ず受け取る」というものだが、実際の実験においては、自分の取り分が1/4を切ると、80%は受け取りを拒否する。ここまでは普通の行動経済学なのだが、本書にはさらにその先がある。
P. 176
お金を受け取るほうの被験者の右前頭葉外部側に磁気刺激を行ってこの領域の活動を抑制すると、被験者はお人よしになって、少ない金額でも受け取るようになります(Knoch, et al., 2006)。20%の金額しか配分されない、普通なら被験者は90%の確立でこれを拒否するのですが、右前頭葉の働きをブロックすると、拒否する確立は55%に下がってしまいます。ただし被験者は不公平な取り引きだと感じています。それでも実際に行動する段階では受け入れてしまうのです。また左側の前頭葉の活動を抑制してもこのような結果は生じませんでした。
本書には、こんな文字通り刺激的な実験結果がいくつも登場する。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51150763.html
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>右前頭葉外部側
おでこの右側の角のちょっと奥 がカチンときて、
俺の分け前がどうしてこんなに少ないの、だったら受け取らねーよ、俺も0だがおまえも0だ。
というわけやね。
これマンガではキャラの左前頭葉なんだよなー。
この怒りマーク、左(キャラの右前頭葉)につけると科学的に正しいということになる。